(読書録)マーケティングとは組織革命である
尊敬する森岡さんの本を全部今読もうとしていて、その一つである「マーケティングとは組織革命である」のポイントを以下に備忘として記録します。
- マーケティングは戦略よりも実行が100倍難しい。だからこそ、現場もしくは現場に近い人(実行をやっている人たち)も対等に接し、敬意を払うべきである。上下関係や性別の違いなどでパワーバランスがあるのは「呪い」
- マーケとは市場価値を想像する仕事全般を指し、営業も技術も人事もみんなが関わる。だから、組織がマーケマインドを持ってない限り成功しない
- バリューチェーンの最初からマーケの思想が入ってないと、作ったものを売るになってしまい、売れるものを作るにならない
- 売上向上のために人々が望ましい行動を取る確率を上げる(マーケティングシステム)
- 組織の重要判断のために人々が好ましい行動を取る確率を上げる(意思決定システム)
- 会社が望む方向へ人々を動機づける行動を上げる(評価報酬システム)
- 過半数というのは社会的マジックナンバーであり、過半数がある行動を取り始めると残りの半分は違う行動をとることにリスクを感じ始め、一気に組織が変わる。1/8が行動し始めると集団の変化が察知され、1/3が行い始めると大きな変化が始まったと人視されていく。つまり13%、34%、51%、100%という法則が組織改革の進捗を測定するのに重要なマイルストーンになる
- 誰がどこで何を決めているかわからない組織は誰も公に恥をかかなくていい仕組みになっていて、人を追い込めないからパフォーマンスを上げることが難しく、会社的にはよろしくない
- それぞれの専門性を出し合って死角を減らすことが全員の利益に通じる
- 上司(その上までも含めて)にとってメリットがある提案の仕方をしないと社内マーケティングを成功させることはできない。更に、その提案をする前にそもそも目的をきちんと上層部と腹落ちするまで共有しなければ実行に至ることはできない
- なんでも反論してくるやつには、あえて穴を空けといて指摘させて感謝を示し喜んで修正し、さも二人の案みたいな見せ方をしてやるとアホは満足するのである
- 上司は下と上の間にたってプランに付加価値を足してもっと良くするのが仕事。そのまま報告するやつは無価値で無能
- 社内マーケのターゲットは常に2系統で、意思決定者と意思決定者周辺で判断に影響を与える個人。これらの人を意識した社内提案をすること。
▶target analysis
▶意思決定者は誰か?合意形成の重心になる人は誰?提案を潰せる人がいるならそれは誰? - とある人が賛成したらなびき始めるような重心にいる人を見つけ出す。したがって、伝える前にターゲティングが9割なのである
- ターゲット分析をちゃんとやってる場合は魅力度より実現可能性やコストがバリアになることが多い
- 人間は意思決定をしないことがノーマルなので、重大判断でなくて100-0ではなく、10だけ買わせるみたいな失敗と判断した時に脱出できるプランを作っておくと良い
- 公の便益が個人に刺さってる場合は個の便益を話題の中心に持ってこなくて良い
- 大義名分が正しくても情熱のエネルギーは個の便益に響くことで生み出されてるので、個の便益を考えることは結果的に大事
- 頭を使って計算高く策をねるのも必要だが、最後に相手を動かすのは人間の持ってる真実の迫力
- 人はだいたい好きか嫌いかで判断しており、ほぼ理性だけで判断をするサイコパス性の高い人(感情が意思決定の邪魔にならない人)は少数で、第多数は情緒で物事を判断している
- マーケと言うとリサーチ調査のイメージもあるかもだが、たいてい答えは無くて不確実性の高いエンタメの世界ならなおさら難しい。
- 日本のエンタメ業界は産業としてやっと成熟してきたので経営やマーケ視点を入れてさらにブーストしていくことが大事かも。
- マーケは夢を売る、あこがれをつくるということ
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